雨蝙蝠

泣きたくて　君の前では強くありたくて
それが自分壊していた
この剣に誓うのは君の命
護りきる　この身滅びても

空　海　月　雲　人々の心
黒く澱んでいるけれど
永い日は君を美しく

陰で何をしているかは
判っている　望んでいないことも

泣きたくて　君の前では強くありたくて
それが自分壊していた
雨が降り空に戻りまた降って
心までそっと濡らしていく

漆黒の刀　振りかざす先は
人を殺めることもなく
鬼だけを深い海の底へ

どんなに強くなってみても
肝心な者を護れない

所詮はね　僕は蝙蝠
空を高く飛ぶことはできない
血で濡れた手で君に触れようとしたけれど
躊躇い　戻した

僕の変わりに泣いてよ
僕が流すのは血で十分なんだ
君を泣かせないために
君を護るためだけに
これまで戦ってきた
でも　もう　疲れてしまった

もう一度　君を笑顔にしてやりたいから
死など恐れない
雨で濡れ　流れる血の中に
君だけが浮かび上がるんだ

陰で何をしていようと
君は君で　心美しい

空　海　月　雲　忍ばせた想い
蝙蝠には重すぎたようだ
永い日は僕を落とすだけ

高く飛ぶことも叶わず