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青い森
雨でぬかるんだ土が足を汚す
薄暗くてよく見えない向こう側
姿を見せない足跡を辿って
森の奥深く吸い寄せらているようで
こんな夢を見始めたのはいつからだ
小鳥が鳴く声に耳を澄ませば
重い目蓋が開くから
明かりの差さぬ青い青い森を見上げ
希望などないと再び木肌をなぞった
頭の中でぐるり巡る旋律歌う
知らない筈のそれは懐かしく感じた
何度も何度も転びそうになって
草木で傷ついて でも夢だから痛くない
こんな夢だ 何をしたって良いだろう
手頃な枝を目に突き刺したら
本当に何も見えなくなった
暗闇に怯え崩れ落ちた ここは何処だろう
終いに自分さえ自分なのか危うくなる
小鳥の声にすがり付いて歩み始めた
やがて飛び立ち迷い惑い孤独を知る
星が降って 月は咲き誇り
この深い森を照らす
暖かな光に包まれ
それでも目の空洞から闇が滴り落ちていく
夢よ 覚めて
明かりの差さぬ青い森でただ君を待つ
小さく冷たい手を差し伸べてくれるなら
あの旋律にもしも終止符が在るのならば
きっとここから脱け出す為の鍵だろう
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