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エンドロール

 

僕らに似つかわしくないお洒落な喫茶店の中で

険悪なムードと視線が何度も突き刺す

 

遠く遠い恋路の上 電車に乗った君を想うのは

淋しさを埋めようと矛盾を詰め込んだだけ

 

距離が離れる毎 心が引っ張られていく

時間が過ぎる毎 やがて千切れた

 

苛立つ君の顔を見て「僕のせいではない」と

必死に弁解するばかりの僕 嫌になっても仕方ないね

 

別れの時が来ました

 

久方ぶりに出会った君は大人の艶を纏い

目を奪われるほどに後悔の種が育つ

 

耳元誘う声 「暴露やしないから」と云う

一時の恋紛い 罪悪など数知れず

 

事の最中には必ず君の姿重ねた

其れで赦しを請うのは虫が良すぎたみたい

 

少し話を聞いてくれ

別れの時が来ました

 

埒の明かぬ会話に狡猾な涙を浮かべ

席を立とうとする君の腕を掴んで

 

店の誰もが此方を覗き見る

 

こんな状況にも関わらず面子ばかり気にしていた

心の焦りに比例して握る力も増した

何時か見たドラマみたいにコップの水を被った

息を呑んだ客の間を颯爽と歩く君の背

 

少し話を聞いてくれ

別れの時が来ました

 

別れの時が来たんだ

別れの時が来たんだ

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