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シャボン

なんだか随分嫌われたな。

理由はよく分かんないけど…

朝の寒さか 怒りか悲しさなのか、

指の震えが止まらない。

 

君のことずっと好きだ、って

そんな言葉は今の君には届かない。

 

いつも変わらずに

笑っていられると

今こうして泣くまで

信じていた。

 

まだ愛してる。

 

幾つもの言葉探してみたけど、

出口にたどり着けなくて…

咄嗟に出たのは君を傷つけ

出口へと促すセリフ。

 

手を伸ばせば掴める距離のはずだけど、

見えない壁が阻むんだ。

 

渇れた喉から

やっと出した声、

空気に触れては

弾けて消えた。

 

空まで昇らず。

 

これまで僕らずっと、

全てを共にしていた。

氷のように動かない。

もう変わらない、これが現実なのか…

 

冷たい指先

触れたところから

崩れそうで怖くて、

君を遠ざけた。

枯れた喉から

やっと出した声、

空気に触れては

弾けて消えた。

凍ってしまった。

 

サヨナラも言えず。

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