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グリム
僕は何もやっていない それが通用しない世界で
夢を語るのは止めにしよう
だって無駄だから 全部無駄だから
これは教育に悪影響 大人の勝手なルールで
血と憎悪で書き連ねたページ 塗り潰されたグリム
こんなに人でごった返す街だ
僕が反論叫んで唱えても
多分 雑踏で掻き消されちまうだろう
それなら雲の形見てぼけーっとしていたい
眠らない街 囚われて
洗脳された僕死んでしまえばいい
そしてクリアな身体 脳を手に入れられたなら
世界丸ごと洗ってやろう
いつかヒーローに憧れていた僕はとうの昔に置き去り
今や傷だらけの泣き声なんて耳を塞ぎやり過ごす
こんなに人でごった返す街なら
誰か一人は正義感溢れる奴だろう
こうして僕は傍観者に様変わり
幼い僕に見せたらガッカリしちゃうかな
頭脳派に進化した人間の中
まだ僕は猿のまま
群れを成すことだけに死に物狂いでしがみついたけど
退化した腕は保たない
物語は進む 軌道修正されて
批判したいがどうにも
僕を変えてくれるなら
絵本の中 光 希望で満ち溢れて
それだけがどうしようもなく羨ましい
夢を語るのは止めにしよう
誰もいないベッドの中で
高論卓説 小さく呟いた
何も考えないよりかいくらかマシに思えた
心地良い現状に満足して居座り続けている
全て洗浄したいのなら
まずは我が身 洗い流せよ
グリムが自由に世界を思いのまま描くように
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