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黒物語

 

お伽の世界に連れ込まれたのはいつから

悲しき彼らを現実世界に連れ戻せ


獣が喋った「僕らと離れないで」

掴まれた腕を振りほどいて走って 走った


涙は出ない 泣くことすら制御されてる

でも感情は誰にも左右されない


子供の頃から ずっと考えていた話

まさか今更 迷い込むことになるなんて


こっちに来ないで 獣が僕を囲んだ

憎しみを込めた視線が焼きつくようだ 苦しい


皮肉だよな 自分が生んだ罪の数々

周りを見渡す ちらほら見える知り合い


孤独に怯えて でも奴らには敵意を込めて

死んだら楽かな…醜くても絶対生き延びてやる


水はどこ? そもそも飢えなんて来るのか?

出口を探すのはとうに諦めた


お伽の世界は後に滅びたという

関係あるのか 数名の行方不明者が
 

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