top of page
jyohn
脚が凍りつく 上に向かって
心臓が停止する3秒前に
僕の意識は途絶えていた
時間が切り取られ 僕は独りきり
真っ白な道で置き去りにされる
朝も夜も無くただ止まったまま『静』がうずく
餌の味はとうに胃が消化して忘れてしまったよ
壊れた空に消えた歌声
心臓は凍えて機能を果たせない
走馬灯のように目が捉えたのは朽ちていく植物
あんな風に僕も形を残さず消え去りたいのに…
どこからか現れた少女が嘆く
ナイフで白い指に傷を
血が滴る 凍った僕に一滴
瞬間 鳴り出した心臓の音
凍えきった身を動かす分だけ『生』を頬張った
甘い息を吐く少女は今やもう食物と化した
命の重さと生ぬるい肉を噛みしめ 飲み込む
餌の味はまた胃が消化して忘れてしまったよ
bottom of page